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公認会計士から見た経営者のタイプ

2021-02-25
1.私から見た経営者のタイプ
 私は、職業会計人となって今年がちょうど50年目になります。大学を卒業してからすぐに会計士補として監査法人に勤務し、公認会計士となってからすぐに独立開業しました。監査法人に勤務中ももちろんですが、特に独立開業してから多くの経営者に会ってきました。
 一番多くお付き合いしたのは、創業者としての経営者です。また最近では、二代目(=先代の子供)経営者とおつきあいすることも多くなってきました。もちろん経営者の中には、従業員から昇格して経営者になった方もおりますし、中には、外から経営者になった方もおります。
 本日は、公認会計士から見た経営者として、①創業者の経営者 ②跡継ぎ息子の経営者 ③内部から昇進してなった経営者 ④外からなった経営者の4つのタイプに分けて解説いたします。
2.創業者タイプの経営者
 私の親父が、『お父さんの時代は、一番頭の良かった者が公務員や上場会社に勤務して、最終的には部長か課長になって定年退職した。次に頭の良かった者は地元の中小企業に勤務して、取締役になった者も大勢いたが社長になった者はいなかった。一番できの悪い者が就職先がないので、独立開業して、結局社長になった。』と話したことがあります。実は、父は洋品店の創業者で、私は会計事務所の創業者なので、父の話には説得力があるような気がします。
 創業者タイプには、できが悪いかどうかは別にして、癖の強いサラリーマン勤務の向いていなそうな人が多いのは本当のような気がします。ゼロから始めた人が多いせいかハングリー精神が強く、危機にも強い方が多いようです。創業者はすなわちオーナー経営者のため、社内では絶対的な権力を持ち、他人の意見を聞かないため、いわゆる幹部が育ちにくいのが一般的です。長所もあるが欠点も大きく、いわゆる個性のある方が多い感じがいたします。
 ところで、日本では、創業社長による同族会社が多く、後継者がいないのが社会問題にもなっております。
3.跡継ぎ息子タイプの経営者
 次に、跡継ぎ息子タイプですが、『売り家と唐様で書く三代目』とか跡継ぎ息子の没落をひにくくる川柳があります。この川柳、かなり含蓄のある川柳と思います。一般的には、三代目の遊芸にふけった放蕩息子を皮肉来る川柳と取られておりますが、私は『親の教育』『親の価値観』『親の願望』のなせる業と思っております。
 私の子供の頃、今から60~70年前にはピアノがある家は少なく、ピアノの音を聞くと『その家は上流階級なのだなあ』と羨ましく感じました。また、上流階級の女の子の家にはひな人形が飾ってありました。このひな人形を見て羨ましいと思った女の子はかなりいるのではないかと思います。そして、ピアノやひな人形を羨ましく思った子供が大人になった、今から40~50年程前には、ピアノがブームになり、多くの家庭でひな人形が飾られるようになりました。
 親というのは、一般的に自分のできなかったことを子供にやらせたがるものです。自分ができなかったことを、子供に望むものです。その結果、子供が商売よりも一般教養や遊芸に力を入れたり、まれに、父親の期待以上の経営者が現れたりします。
 跡継ぎ息子タイプの経営者は、創業者と比較するとリスクを避ける傾向がありますが、オーナー経営者という地位も引き継ぐのでワンマン経営者でもあります。いわゆるサラリーマン経営者と比較すると、社運をかけた難しい決断は下しやすい反面、わがままが通りやすいので経営感覚がずれた方も時々見かけます。
 昔、私が経営学者から『産業の命は長いが、企業の命は短い。』と説明されました。西陣織など何百年も続いているが、企業は平均30年の歴史とのことです。しかしながら、最近の産業を見ていますと寿命が短い感じが致します。私の地元の清水の地場産業である缶詰産業・木材産業・造船産業のいずれもが衰退産業となっております。さらに、農業・商業。漁業なども昔の輝きはありません。ある人が、『これから生まれてくる子供の60%が今はない、これから生まれてくる産業に従事する。』といっておりました。そう言われてみると、介護関係の仕事、コンビニエンスストア、携帯電話等30年前にはなかったものがたくさん目につきます。
 まさに、変化しなければ生き残れない時代になりました。跡継ぎタイプ経営者といえども生き残りゲームに勝ち残るのは大変な時代が来たようです。
4.内部昇進者タイプの経営者
 内部から昇進して経営者になった方には、何らかの理由で株式の過半数を所有してオーナーの仲間入りした方もおりますが、完全なサラリーマン経営者の方もおります。完全なサラリーマン経営者の方は、社長といえども何年間かしら社長の座にとどまっていることができず、オーナー経営者とは根本的に違うような気がします。
 会社の業務には精通し、内部からの信頼もあり経営者としての安定感もありますが、社運を賭けるような改革は難しいと思われます。しかしながら、会社の内部の勝ち残り競争を勝ち残り、運もあったかもしれませんが経営者にまで上りつめたことは称賛に値いたします。
 少子高齢化の時代には、内部昇進の経営者がもっと増えても良いと思います。同族経営の多い日本ですが、今後どうなるのか?興味があります。
5.社外からの経営者
 社外からの経営者には、①会社の売買などで会社経営者になった方と②経営能力を買われて経営者になった方がおります。いそべ会計の顧客には①の会社売買により経営者になった方が若干おりますが、②の経営能力を買われて経営者になった方はおりません。
 ②の経営能力を買われて経営者になった方は、いわゆるプロ経営者と呼ばれる方です。日本では、アップルコンピュータから日本マクドナルドに転職した原田さんとか、ローソン社長を務めサントリーホールディングスの社長に就任した新浪さんとか、京都セラミツクを創業してからKDDIを創業し日本航空の再建者の稲盛さんなどが有名です。しかしながら、その数は限られております。ところが、アメリカでは経営者の4分の1がこのプロの経営者なのだそうです。
 全く違う業種の経営者として業績を上げ、名前を挙げているプロ経営者!!今後の企業経営に学ぶことが多いようです。
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税理士法人いそべ会計
〒424-0816
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TEL.054-364-0891
代表 磯部和明
公認会計士・税理士
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2.記帳業務
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■東海税理士会所属
■日本公認会計士協会所属
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