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1.『追分羊かん』を訪ねて 
『追分羊かん』と左側の細い道が、志ミづ道(清水道)。
『追分羊かん』と、志ミづ道(清水道)の道標(みちしるべ)。
『追分羊かん』の入り口と、向こうに昭和30年頃作られた『看板』。
清水生まれの書道大家『高塚竹堂』の名筆の看板。
クリックして、拡大して下さい。

 清水入江小学校や清水第八中学校の校歌を作詞した長田恒雄さんが、『追分羊かん』について、次のように記載しております。

 

追分羊羹というのは私の郷里清水の名物である。「名物にうまいものなし」というがこれは例外であろう。素朴な竹皮包みの蒸し羊羹で、関西のあの丁稚(でっち)羊羹に似ているが、味も香りも比較にならないようである。追分羊羹のうまみは、あらゆる上等の銘菓を食べ飽きたひとの舌にこそ、ほんとうに味わえるものではあるまいか。

 

レッテルや容器でごまかされるような人には、すすめたくないものだ。見たところは貧弱だし、およそ近代の食料品という感じはしないし、その味も人を馬鹿にしたような淡々としたものである。だが、その中に含まれている深い風味は、道端で埃にまみれた石地蔵の、ふと驚くべき彫りの美しさに、出会したときのようなうれしさである。「してやられた」ようなうまさと言ってもいい。

こんなものが余り人にも知られず、三百年の歴史をひそめて、しずかに生きているところに、私は何か日本のいのちのようなものを感じさえする。上品に切ってたべるのもよかろうが、私は一本ぐるみ皮をむいて、むしゃむしゃ食べるのが好きである。いかにもこの羊羹にふさわしいような気がするのだ。

なにもかもぴかぴかしてきらびやかな近代のなかにあって、この羊羹のような古めかしい野育ちのものに出会うと、せつない郷愁にも似た、それせいてそこはかとない、安堵のおもいに浸たれるのは何故であろうか。 

 

 

以上が長田恒雄さんの『追分羊かん』に関する感想であります。それでは『清水歴史探訪』に移らさせて頂きます。

 

 

中に入ると『追分羊かん』。後ろの『追分羊羹』の額がいい。
『追分羊かん』以外の商品もたくさんあります。見ているだけで楽しい。
買い物客、観光客が、お庭を見られるよう工夫されています。
慶喜公の時代と変わらぬよう特別の配慮がされています。
撮影の時期が悪いのですが、それでもすごい。一見の価値あり。

(清水歴史探訪より)

蒲原、由比、興津、そして江尻から府中へ。

清水歴史探訪

毎月月第二土曜日のこの時間は、清水区内各地に残された歴史の香りを訪ねます。

 

日本の東西を結ぶ幹線交通路の一つである東海道では、沿線への各地へと続くいくつもの

 

分かれ道がありました。

現在の清水区内にも、国道一号線とJRの東海道本線に挟まれるようにして、街道の分岐

を意味する追分という所が残っています。古くからこの地に店を構える『追分羊かん』の15代目、府川充宏さんを訪ねました。

 

「『追分羊かん』のお店の中にお邪魔をしているんですけれども、このお店の建っている場所というのが、そもそもとても昔からの由来のある場所なんですね。」

 

 

「はい、ここは東海道の追分、清水の追分なんですけれども、東海道と清水湊(しみずみなと)に行く志ミづ道(清水道)の大切な交差点であります。交差点だから追分といいます。うちは、もうこれで320年ぐらい羊かんをやっているのですけれども、東海道の追分の昔からの羊かんというところでもって、『追分羊かん』という名前に自然になりました。」

 

 

「その東海道なんですけれども、どちらの道が東海道になるんでしょうか?」

 

 

「東海道はですね、このお店の前の道、この道が東海道でして。昔は松並木がまだ残っていたそうですけれども、戦争の時に油を取るとかいってなくなったそうです。」

 

 

「松並木があった頃というのは壮観だったでしょうね。」

 

 

「そうですね、松並木があって下を大名行列が通る、なんていうのは映画なんかで観たことがあるけれど、そういう雰囲気でしょうね。」

 

 

「そして志ミづ道(志ミづ道(清水道))というのはどこから分かれたわけですか?」

 

 

「志ミづ道(清水道)といいますのは、私の店の東方に細い、そうですね、2メートルぐらいの幅の道があるんですけども、その道を40分くらいかな、てくてく、てくてく、歩いて行くと、『清水湊(しみずみなと)(海ではなく巴川)』に行きます。それが志ミづ道(清水道))といいます。」

 

 

「今は細い路地のような感じに見えるんですけども、かつてはここが重要な交差点だったわけですね。」

 

 

「そうだと思います。清水湊(しみずみなと)に行く道は、この道一本ではなくて、もっとあったと思うんですけれども、とりわけて大切な交差点だから、追分という名前になっているわけです。だから他の道よりもこの道を使って、例えば清水湊(しみずみなと)に揚がった、たくさんの荷物を大八車(だいはちぐるま)のようなもんで運ぶ、とか。ここのお魚を十キロ離れた駿府の町へ持ってくとか。いろいろあって賑やかだった場所だったと思います。」

 

『さくらももこ』直筆の色紙。まるこちゃんファンにはたまりません。
『清水だね、追分ようかん、粋な味』は読めますが-------、後はお店で見てください。
清水ドリームプラザのちびまる子ちゃんランド限定の『追分羊かん』は、本店でも売っていました。
ふるさとを
おもいだす
味のたよりの
おいわけようかん
帰ったら、
和菓子で、
話そう
「ただいま!」の言葉に、
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税理士法人森田いそべ会計
〒424-0816
静岡市清水区真砂町4-23
TEL.054-364-0891
代表 森田行泰
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