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7.船宿『末廣』の内部を見学して
 「船宿『末廣』」は、今では入口が南側ですが、当時は入口が西側ではなかったかと思われます。敷地の関係で、入口が南側となってしまったと思います。玄関に入ると広いたたきがあります。ここにある大黒柱や鴨居、居間と二階へ上がる階段、こういったものが当時の部材をそのまま使っています。ほとんどの建築や外観から内装まで同じような形になっておりますが、階段などは観光客のために広めに作り直してあるようです。
 
土間の左は、12畳の板の間、その奥に10畳の座敷が2つ、右には客用の小座敷(現在は写真等が飾ってあります)、その向こうに階段、台所(現在は事務所?)
次郎長の人形と一緒に、高内さんに『おけんちゃん』になってもらいました。
 次郎長さんは武勇伝を語るのが好きだったそうです。石垣づくりの船着場のすぐ前にあった「船宿『末廣』」は、当時としては波止場唯一の船宿で、海軍士官候補生たちは、練習艦に乗って清水港に入ると、次郎長の武勇談を聞くため「船宿『末廣』」を訪れたと言われております。
 また、気前よく貧乏人にお金をあげたためいつもピーピーしていたようであります。飴玉を子供たちにあげるのを楽しみにしていたと、「船宿『末廣』」のガイドさんが話をしておりました。
 しかし、次郎長は経営能力がなかったわけでなく、清水港をお茶の港にしようと努力したり、英会話塾をやったり富士の裾野の開拓をしたりしました。私は、ある人が「海の鈴与、陸の次郎長」と評しておりました。
12畳の板の間は、売店になっておりました。
10畳の座敷の1つ目。
10畳の座敷の2つ目は、このように大量の飾り雛。

 2階に上がる階段があります。

 

(波止場浪漫より)

大正1P21

右には客用の小座敷がならんでいた。そのむこうに階段があり、台所がある。駿河湾と富士山をのぞむ二階の座敷は賓客用。隣接した家にはけんの姉一家が、裏の家には使用人が住んでいる。

 家の間取りは引っ越してきたころと変わらないが、板間の天井から下がっているのは、ランプではなく電球だ。帳場の柱には掛け時計が、台所には、薪炭をつかうカマドの横にガスコンロがとりつけられている。

客用の小座敷は今では写真等の飾り場。
階段は、観光客用に原寸より広くなっているそうです。
台所は、関係者以外立ち入り禁止です。

 

(波止場浪漫より)

大正1P21

 右には客用の小座敷がならんでいた。そのむこうに階段があり、台所がある。駿河湾と富士山をのぞむ二階の座敷は賓客用。

大正1P28

 船宿の二階は、階段をのぼったところからぐるりと廊下がつづいている。出窓のある廊下の内側に、床の間つきの十畳間がふたつならんでいた。出窓は障子だから座敷は明るい。

おちょうの病床は奥の座敷にとってあった。

ぐるりと廊下が続いております。
出窓のある廊下。
この廊下の内側に十畳間が2つ。
二階の座敷は、賓客用でしたが、おちょうさんが寝込んだ時は病室に使ったようです。

 2階の座敷を見て、始めて、この『末廣』の向きが違うことが分かりました。聞いてみたら、この『末廣』の敷地は元銀行(スルガ銀行?)の敷地で面積の都合で、波止場に会った時は西にあった玄関が、今では南側にあるそうです。波止場に会った時には、二階の賓客用の座敷から駿河湾と富士山が見えたそうです。

 2階には、人形が展示されております。次郎長は英語塾を開設したと言われております。オランダ語やフランス語ではなく英語塾というのが次郎長の先見性を示すものと考えます。なお、次郎長のところで英語を習ってアメリカを渡ったと言われている三保の川口源吉という青年がおります。この川口源吉が成功してアメリカから帰ってきました。この影響で、清水の三保地区ではアメリカへ渡った人が多く、私の子供のころは三保地区は「アメリカ村」と呼ばれたことがありました。今でも、相続の相談の時に三保地区の方の家系図を見ると、アメリカ人が出てきます。

  

 

(波止場浪漫より)

明治1P44

源吉は次郎長の英語塾で学んだ。だからハワイでも困らなかったと次郎長をもちあげたが、これは半分以上、お世辞だろう。

〈世界はオルト、商売はコムメルス、ボイランはボーイラン、つまりガキっ子走るで、ガルランはアマっ子走る・・・・・・〉

英語とは似て非なるものだったのだ。

波止場へ引っ越してから再開された英語塾は、横浜でイギリス人にしこまれた教師を招いているので、多少はマシになっている。

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税理士法人森田いそべ会計
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代表 森田行泰
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