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4.高部小学校と保蟹寺

(清水歴史探訪より)

 

さて、このお寺には、小学校の発祥の地であることを示す石碑が建てられています。

「山門(さんもん)の手前のところに。」

「石碑があったでしょ。」

「石碑がありました。これはどういう記念の石碑なんでしょう。」

「あれは双柳会(そうりゅうかい)といって、現在の高部小学校の謂れを言いますとね、昔、大きな柳の木が2本あったんですよ。

 その木を、私が小学校1年の時ですからね、もう80何年前なんですけど、新しい校舎が建つときにその大きな2本の柳の木を切っちゃったんですけどね、それが2本の柳の木『双柳(そうりゅう)』という風に言われているんです。

 双柳会のメンバー、亡くなっちゃいましたけど、記念してあそこへ碑を造ってくれたんですね。そこに謂れを書いてあるんですけれどね。

高部小学校発祥の地 
 

 明治五年全国に小学校を設けることがきまり,明治七年 七月二十九日この地に「貞教舎」という学校がたてられた。 これが 高部小学校のはじまりである。

 押切 大内新田 能島 大内 鳥坂の児童が学んだ。翌八年四月には 梅 ヶ谷 二本松に「千之舎」がつくられた。

 十八年五月この 二つを合併して大内 山根に「竜南小学校」を開校 のち 「竜南尋常小学校」さらに二十二年高部村の発足に伴い 「高部尋常高等小学校」と改めた。

 児童数が多くなった ので三十六年四月いまの場所に移り その後「高部国民 学校」「高部小学校」と変り創立以来百十年を数えるに いたる。    

昭和六十年二月一日建之        

大正九年高部小学校      石原 郁
           入学者の会 双柳会代表  生子力蔵

 ここに学校ができたというね。謂れから言いますと、明治の5年と書いておりますね。全国で、学校を作れというお触れが出たらしいんですよ。

 ここへできたのが、明治7年。名前は、貞教舎(ていきょうしゃ)っていう、いわゆる寺子屋のような学校が出来たんです。

 そこでもって、この近隣の子供たちが集まって、いわゆるこの本堂でね、勉強したようですね。

 それから、この高部村ができる前に、梅ケ谷の方にも寺子屋のような学校ができました。

 それで、明治の初めの頃は子供たち勉強したようなんですが、この貞教舎と梅ケ谷のその学校が合併いたしまして、竜南(りゅうなん)小学校というのができたんです。

高部小学校の歴史

 

明治7729日  村立貞教舎設立(開校)(大内村小柿)

明治8424日  村立千之舎設立(梅ヶ谷二本松)

明治1851日  村立小学龍南学校設立(貞教舎、千之舎、合併)

明治19930日  龍南尋常小学校と改名

明治2011    村立龍南尋常小学校と改名

明治2271    村立高部尋常小学校と改名

明治3518    新校地947坪 押切大字下村に施置(現在地)

明治351010  高部村尋常小学校と改名

明治36420   新校地へ校舎新築落成

明治41925   静岡県庵原郡高部尋常高等小学校と改名

昭和1641    静岡県庵原郡高部村国民学校と改名

昭和2241    静岡県庵原郡高部村立高等小学校と改名

昭和2914    清水市立高部小学校と改名

昭和60210   110周年記念式典挙行

平成154        清水市・静岡市合併により、静岡市立清水高部小学校と改名

平成174        政令指定都市となり住所表示変更 清水区押切となる。

高部小学校HPより

 このお寺から約300400ートル東の方へいった山の根っこなんですけど、その2つの学校を一緒にして竜南小学校というのができたというわけですね。

 それが明治の10何年じゃないですかね。そこで学校ができたのが、この高部小学校の始まりなんです。

 たまたまこの地はあれですけれど、その竜南小学校の土地が私の先祖の土地だったらしいんです、おじいさんの時代にね。そこを提供して、その竜南小学校を作ったといわれています。

 それがだんだん、またそこじゃ狭いというわけで、現在高部小学校があるところへ移って、高部小学校ができたわけです。いわゆる、昔は『高部尋常高等小学校』といったんですけれども、それができて30年ほど前に100周年記念をやりましたから、今では130年ぐらい経っているんじゃないですかね。

 そういう歴史のある高部小学校です。そのもとがここだというわけです、貞教舎という。いわゆる、今の高部小学校のもとはここです、ということ。そういう意味です。

「そうしますと、この保蟹寺の、今私たちが立っている本堂で最初の子供たちは勉強していたんですか。」

「そのようですね。いわゆる鳥坂・大内・押切とか、能島方面ね、その辺の子供が集まったんじゃないですかね。海側のほうは梅が岡小とかあっちのほうで子供たちが集まって勉強したんでしょうね、たぶんね。そういう、学校の生い立ちですね。」

「当時は、この本堂、今は畳敷きですけれども、かなり広いんですが、子供たちが賑やかだったんでしょうね。」

「たぶん、そうだと思いますよ。その時、果たして、全員が学校へ来たかどうかは、学校へ来ない子供も昔はあったんでしょ。そういう点で、どのくらい人数が来たかは分かりませんけれども、とにかくここで勉強したわけですよね。」

 

 現在の高部小学校は、このお寺の本堂からその歴史をスタートさせたのでした。

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