現在進行しつつあるＩＴ革命
ＩＴ革命の前にコンピュータの普及について考えてみます。私の会計士の試験を受けた頃にはパソコンはもちろん、持ち運びできる計算機もありませんでした。公認会計士の受験勉強の一つは、そろばんの練習でした。ところが、公認会計士の三次試験に合格した頃には、持ち運びできる電卓が普及しておりました。ただし、その当時の電卓は、一カ月分の月給よりも高かったと記憶しております。
その後、コンピュータの普及は目覚ましく、今では1人1台パソコンを持ってるのが当たり前になってしまいました。この結果、大量の事務員がいらなくなりました。私が卒業した頃には、清水商業の卒業生の数よりも事務員募集の数の方が多かったと聞いております。ところが、今では卒業生の1割程度しか事務員の募集がないそうです。
次に、インターネットの普及です。インターネットの普及により、大量の営業マンが不必要になってしまいました。私の卒業した頃には、いわゆる根性の営業というのは当たり前でした。ところが、現在では必要な情報は営業マンからではなく、インターネットにより入手するようになってしまいました。私が卒業した頃には、車のセールス、楽器屋のセールス、電化製品のセールスなど、数々のセールスマンがいました。今流行りの『ヤマダ電機』も昔は無店舗販売で、多くの営業マンをかかえていたと聞いております。今では、営業マンはほとんどおらず、大きな店舗で電化製品を販売しております。
もっとも変わったのは、銀行です。私が卒業した頃には、銀行の支店の一階には、多くの銀行の事務員がおりました。支店の二階には、多くの銀行の営業マンがおりました。コンピュータの普及により、事務員がいらなくなり、預金を集めるよりも、融資の方が重要になった結果、多くの営業マンがいなくなりました。
次に、インターネットの影響で、物品販売をする商店が次々となくなっています。商店街には、多くの本屋がありましたが、今では本の購入はインターネットになってしまいました。
事務員もいらなくなり、営業マンもいらなくなり、商店もなくなった結果、いつのまにか大量の失業者だけが増えております。もうすぐ働いている人よりも、仕事のない人の方が多くなってしまうような気がします。
私の気がつかないところで、新しいＩＴ革命は世の中を一変するような気がいたします。
