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6.三池平古墳の副葬品

(清水歴史探訪より)

「三池平古墳から埴輪(はにわ)は出てきていないんですか?」

「埴輪(はにわ)はですね、壺型埴輪(はにわ)という古い形の埴輪(はにわ)が出てきています。壺のような格好をしているんですけれども、底が抜けていて、それが古墳のくびれている部分辺りからいくつか出土しています。物を入れる物じゃなくて、たぶんあの古墳の埴輪(はにわ)というような形で、置いてあった物だと思います。」

 

(注)左の写真は、各年代の壺の写真で、埴輪(はにわ)ではありません。

壺型埴輪(大阪市文化財協会:三池平古墳のものは展示してありませんでした。)
水銀朱
管玉(くだたま)
ネックレスや腕輪

(清水歴史探訪より) 

「水銀朱と書かれた物が、赤い物があるんですがこれはなんなんでしょうか?」

   

「これは石棺の中を真っ赤に塗ってありまして、一種の中国なんかでもそうですけれども、魔除けという風に考えられていますね。」

「棺の中というのは華やかな色だったんですね。」

 

「そうですね。」

「それから管玉(くだたま)というのでしょうか。ちょうど短いパイプのような形をした物がいくつか、大小種類もあるようですが。」

「そうですね、管玉も大小ありまして、こういう玉をやっぱり作る技術をですね、小さい物に穴をあけるのもかなり大変だと思うんですけれども、そういう技術ももうあったということですね。」

「その左手の中にはネックレスや腕輪のような物がありますね。」

「そうですね、ガラスでできたビーズですね。もうこの時代からガラスを造っているわけですね。それで不思議なことに、ガラスはこの時代にはあるんですけれども途中抜けて、あと戦国時代のギヤマンが入ってくるまではなくなってしまうという非常に不思議な物ですよね。そういう物がこの時代にはこういう風にガラスのビーズはあったという。イヤリングにしても縄文時代、弥生時代、古墳時代あるんですけれども、平安になってくるとなくなっちゃって。明治になるまでなくなっちゃうとか。そういう物はありますね。」

(清水歴史探訪より)

「鏡というのもありますね。」

「そうですね、鏡は映すということがですね、一つのこういう物を持っているということで、権力の象徴だと思いますね。」

「四神鏡(ししんきょう)というように、神様という字が入っていますけれども、なにかそういう意味合いもあるんでしょうか?」

「はい、四つの神様が配置されています。高松塚にあるような、東は清龍で、西は白狐、北が玄武、南が朱雀というような、四つの神様とかですね、そういうようないろんな神様を書かれているんだと思います。」

「今でも神社に行きますと、御神体が鏡だったりすると思うんですけれども、そういった意味合いもあるんでしょうか?」

「そうですね、そういう風な意味合いもありますね。非常に宝物として重要な物だったと思います。」

「ちなみに材質はなんなんですか?」

「これは銅ですね。銅で裏側が光るようになっています。今見て頂いている物は、鏡の背の部分ですね。背の部分にそういう風な四神(ししん)とか色んな物が彫ってある、描かれているわけですね。」

「鉄でできた物なのでしょうか。剣ですとか、斧でしょうか。そういった物が色々とありますね。」

「はい、当時やはり鉄というのは非常に貴重な物だったわけですよね。ですから権力の象徴として、鉄でできた道具を持っているということがやっぱり大きな一つの象徴的な物として、扱われたんだろうと思います。」

「剣(つるぎ)のような物がありますけれども、中には槍鉋(やりがんな)なんかがあったり、斧があったり、実用品的な物もあったりするように見えるんですけれども、これはどうなんでしょう?」

「この古墳はやはり、戦争の道具に使う物ばかりではなくて、生活の道具をですね、一緒に葬られていることが特徴の一つだと思います。」

「さて、鉄製品の中に、小さな細がない物がいくつか並んでいる所がありますけれども、これはどういう物なんでしょうか?」

「矢の先の部分ですね。矢を射る時の先の部分になります。戦争やなんかに使うにいては大きいような気がしますけれども、実際に使ったかどうかはわからないですけれども、こういう矢を持っていたということだと思います。」

「鉄があったりあるいは石の製品があったり、あるいは色々な塗料があったり。こういったものは色々な地域とやりとりが行われていたんでしょうか?」

「そうですね、色んな地域と交流があったということは十分考えられます。筒型銅器というのがあります。これは三池平の古墳から出たもので、真ん中に細い棒が入って、これが中に入って、カラカラと音がすると。で、日本では儀式用の鉾(ほこ)の柄の部分であるという風に言われております。この前、たまたまモンゴルの博物館の館長さんがここへ来られて、これを見て、日本にもこれがあるのかと。これはモンゴルでは、槍の後ろにつけて、投げるとヒューッという音がするんだと。何だろうと皆が見たところを、こっちから弓を射るんだと。ということを説明していかれましたけども、地域によって用途がまた違うんでしょうけれども、モンゴルにも似たような物があるということで。かなりそういう交流があったということだと思います。四世紀くらいになってくると、鉄を韓国の方から持ってくるというようなことが結構あったようですので、そういう交流はかなり広がっていたんだろうと思います。」

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税理士法人森田いそべ会計
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代表 森田行泰
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■日本公認会計士協会所属
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